OpenAIは2026年8月6日、Appleから提訴されている営業秘密窃取訴訟の却下を連邦判事に求めました。Appleの主張を「根拠がない」とし、訴訟自体がAppleの人材獲得競争やAI統合での遅れを覆い隠すためのものだと反論しています。
OpenAIの反論内容
OpenAIの提出した31ページに及ぶ文書では、Appleが保護対象となる営業秘密を具体的に特定していないと主張しています。同社は「Appleの営業秘密に対する用途も必要性も意欲もない」とし、Appleとは全く異なる新たな製品を開発中であると強調しました。
元Apple副社長のTang Tan氏が退職手続きに関する文書を保持していた点について、Appleは回避策に使ったと主張しています。一方OpenAIは、新規採用者がAppleの退職手続きを厳格に遵守し機密情報を持ち出さないようにするためだったと反論しています。
上級システムエンジニアChang Liu氏については、Appleの認証バグを利用して機密ファイルにアクセスしたとされていますが、OpenAIは元同僚の業務支援のためだったと説明。テキストメッセージの抜粋を公開し、この主張を裏付けています。
Appleのセキュリティ体制への指摘
OpenAIはApple自身のセキュリティ管理体制にも言及しています。従業員が業務に個人iCloudアカウントを使用し、会社端末に残されたメッセージが後から確認される状況が、元従業者のアクセス権限残存を招いた要因だと指摘しました。これは組織的な窃取の証拠ではないとしています。
また両社の連絡途絶について、Apple側は2月の連絡にOpenAIが応じなかったとしていますが、OpenAIはAppleの外部顧問弁護士が似た姓の別人に誤送信したことが原因だと反論。文書内では「失敗」を示す単語が約50回登場し、Appleの社内課題を隠す意図があるとの姿勢を示しています。
訴訟の今後の見通し
Appleは同判事に対し、訴訟継続中の営業秘密使用禁止を求める仮差し止め命令と、Liu氏やTan氏らを対象とした迅速な証拠収集を申し立てていました。調査で新たに11人の元従業員が関与した可能性も明らかになっています。
OpenAIは仮差し止め請求を「虚偽情報に基づく不要なもの」と批判。仮差し止めへの正式回答期限は8月17日、判事による口頭弁論は10月1日に予定されています。両社とも和解の姿勢は見せておらず、長期化が予想されます。
出典: MacRumors — OpenAI Asks Judge to Dismiss Apple's Trade Secrets Lawsuit / 9to5Mac — OpenAI asks for Apple’s trade secrets lawsuit to be dismissed, says it was filed without ‘adequate investigation’ / AppleInsider — OpenAI fires back, says Apple is suing because it can't compete


