米商務長官のHoward Lutnick氏が、Appleに対して中国系メモリチップメーカーからの調達を回避するよう警告しました。世界的な半導体不足に対応するためAppleが中国企業CXMTのメモリチップをテストしているものの、トランプ政権はこの動きに否定的な姿勢を示していますとAppleInsiderが伝えています。
CXMT調達を巡る動き
Appleはメモリチップの高価格と供給不足を緩和する手段として、中国系サプライヤーのCXMTからの調達を模索してきました。6月27日にはトランプ政権に対し、CXMT製Mac用RAMチップの購入許可を求める嘆願を提出しています。
問題は、CXMTが中国軍事企業ブラックリスト(1260Hリスト)に登録されている点です。このリストは米国防総省が中国人民解放軍との関連があるとみなす企業をまとめたもので、米国の国家安全保障上のリスクとされています。リストへの掲載自体が直ちに取引を禁止するわけではありませんが、米国防総省はリスト掲載企業との契約や、その部品を使用する第三者との取引を行えません。
さらにCXMTが「エンティティリスト」に追加される可能性も取り沙汰されています。仮に追加されれば、CXMTとのすべての取引が遮断され、Appleは再び調達先を失うことになります。
政界と業界からの反発
Appleの計画に対しては米国内から強い反発が起きています。7月には米国のメモリメーカーMicronがホワイトハウスにロビー活動を行い、ブラックリスト掲載企業からの購入を許可すれば米国の技術製造業に深刻な損害が及ぶと主張しました。
また、下院中国委員会の共和党議長John Moolenaar氏は6月時点で、Appleが取引を行うのは「重大な過ち」だと指摘しました。7月には米上院議員らからApple宛てに計画の撤回を求める書簡が送られています。
一方でCXMT側はAppleからの値引き要求を拒否し、Samsungに支払う水準と同等の価格を求めています。Appleにとっては新たな調達先を確保するメリットが薄まる展開となっています。ただし、ライバル企業のHPやAcerは米国外向けハードウェアですでにCXMT製メモリを使用しており、罰則を受けることなく継続していると報じられています。
出典: AppleInsider — U.S. Commerce Secretary warns Apple against buying Chinese memory


